東芝の対抗措置に米WD反論 半導体子会社売却、揺らぐシナリオ

2017.6.2 05:00

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却に反対し、国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てている米ウエスタン・デジタル(WD)は1日、東芝が対抗措置をとったことに対し、「仲裁請求は取り下げない」と表明した。東芝は売却先を今月中に決めたい考えだが、WDとの「つばぜり合い」が続いており、シナリオが揺らいでいる。

 東芝は今春の分社時に東芝メモリに移していた資産を東芝本体に戻すと、5月31日付でWDに通達した。この資産は東芝とWDで共同運営する半導体工場の合弁会社の株式持ち分で、「WDの攻撃に対する防御となる」と東芝関係者は説明する。

 WDは、了承を得ずに株式持ち分を移転したことを契約違反として、仲裁を申し立てている。東芝側には、株式持ち分を戻したことで申し立ての理由がなくなり、WD側に取り下げを促す狙いがあった。

 ただ、WDは合弁会社の株式持ち分の移管だけでなく、東芝メモリの他社への売却自体をWDの同意なしに行うことを契約違反としている。東芝が入札手続きを進めていることについても、「契約違反は明確だ」と改めて主張しており、仲裁請求は取り下げない構えだ。

 両社の溝が一向に埋まらないことに、東芝関係者は「われわれも焦っている。WDとの関係も少し変えていかなければならない」と本音を漏らす。

 今後の焦点は、来週にも来日するとみられるWD首脳らと東芝側との協議の行方だ。妥協点を見いだせなければ売却手続きが遅れ、東芝の再建が遠のく恐れもある。

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