今週にもWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者が来日し、東芝の綱川智社長と協議をする予定だ。WDは雇用に配慮して四日市工場に新しい製造棟を造る計画など持っているようだが、東芝関係者は「うちの土地は貸さない」と一笑に付す。関係者は「東芝側から妥協案を出すことはない」との見方だ。
そんな中、WDが買収のため設立する特別目的会社(SPC)を通じた出資割合を19・9%にとどめて当初要求した過半出資から譲歩すると、5日に相次いで報じられた。官民ファンドの産業革新機構や、日本政策投資銀行と「日米連合」を組む方向で調整し、WDは関係国の独占禁止法の審査を迅速に進めてもらう狙いがあるようだ。
一方で、WDと革新機構など日米連合のもたつきを見透かしたように、6日には米半導体大手のブロードコムに東芝が優先交渉権を与える方向で調整に入ったとも一部で報じられた。
さらに、シャープの親会社である台湾・鴻海精密工業も東芝メモリの買収に向け、米アップルや米アマゾン・コムと連携するとの報道もある。米大手企業との連携で、劣勢とみられる買収合戦での巻き返しを図りたい考えだ。
東芝は各陣営の提案を踏まえ、経済産業省などと調整して受け入れを最終判断する。東芝もWDと決裂したまま入札を強行すれば、国際仲裁裁判所の判断次第で売却計画が狂って再建計画が揺らぎかねず、難しい判断を迫られそうだ。