年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は5日までに、東芝の不正会計問題の影響で保有している同社株の価格が急落し損害を受けたとして、資産管理を委託している信託銀行を通じ、監査を担当していた新日本監査法人に約35億円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。
提訴は5月17日付。GPIFは、東芝の有価証券報告書に虚偽記載があったにもかかわらず、新日本監査法人が適正であるとの意見を表明したため、問題発覚後の株価下落で約122億円の損害を受けたと主張。今回の訴訟では、その一部の賠償を求めている。
新日本監査法人は昨年、注意を怠り東芝の不正を見抜けなかったとして金融庁から課徴金納付命令を受けている。担当者は「提訴内容を確認して、適正に対応していく」とコメントした。
GPIFは東芝にも計約132億円の損害賠償を求めて、2件の訴訟を起こしている。