ダイソン、超高級ドライヤーで風穴 日本市場に変化、各社も高価格化 (2/3ページ)

2017.6.12 06:30

ダイソンのヘアードライヤー新製品のPRに起用された歌手で女優のシシド・カフカさん=5月9日、都内(同社提供)
ダイソンのヘアードライヤー新製品のPRに起用された歌手で女優のシシド・カフカさん=5月9日、都内(同社提供)【拡大】

  • 付属アタッチメントを付けて髪をブローできるダイソンのヘアードライヤー新製品=5月9日、都内(同社提供)

 サイクロン掃除機もドライヤーも、世界に先駆けて日本に投入したダイソン。日本市場を重視する理由は創業の経緯にあるという。

 創業者でチーフエンジニアのジェームズ・ダイソン氏(70)は1983年、ゴミが目詰まりしにくいサイクロン方式の掃除機を発明。しかし、紙パックが不要なため従来品の関連市場の破壊につながると、母国の英国ではメーカーの協力を得られなかった。

 その後日本で商社を通じて、1986年に初めてのサイクロン掃除機を1台約20万円で発売。起業資金を得て93年にダイソンを設立した。今でも日本は、同社の売上高の2割を占める重要な市場だ。

高級化を牽引

 調査会社、GfKジャパンによると、2万~3万円台の高級ドライヤーは、パナソニックが根強い人気を誇る。28年のドライヤー販売額でもシェア約6割の圧倒的首位に立つ。

 だが、ダイソンの参入で市場に変化が起きた。国内のドライヤー販売台数は平成26年からほぼ横ばいだが、1台あたりの平均価格(税抜き)は26年の約4300円から27年には約5400円に、28年は6200円に跳ね上がった。

 水村純一シニアアナリストは「ダイソンがライバルを突き放す4万~5万円台の価格を打ち出したことが、市場全体の単価を引き上げた」と分析する。

国内メーカーも高級機種に注力

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