というわけで、昭和あたりまでは、定食屋&食堂はわりとポピュラーな存在でした。ところがファミリーレストランのブームが起きて、ハンバーグだ、ナポリタンだ、ドリアだ、鉄火丼に、ドリンクバーと来たもんだから、定食&食堂は外食文化の表舞台から消えてしまったのです。ファミレスブームの後は、外食チェーンのオンパレード。牛丼、回転寿司、ファーストフードと続き、もう何がなんだか状態です。
そしてここ10年、リーマンショック以降ですか。ふと気付くと定食屋が復活し、結構な賑わいを見せているではないですか。おそらく日本国民が、家で食べる食事を、外でも食べたいと思い始めたのでしょう。つまり「外食で内食を食べたい」という、食の原点回帰が起きたのです。
今回は2大定食屋チェーン「大戸屋」と「やよい軒」を軸に、定食文化を考えてみます。
まずは大戸屋。歴史は古くて1958年のオープンです。1992年、吉祥寺店が火事で焼け、建て直しのときにオシャレ路線を試したら、これがヒット。気づくとドリンクバーも完備し、都市型の駐車場のないファミレスみたいな存在になりました。現在は国内で350店(2017年4月)。2001年に東証ジャスダックに「大戸屋ホールディングス」として上場しており、立派な企業として成長しています。