このように、韓国IR事業の成否の行方は中国人と日本人観光客の動向にかかっているが、文化体育観光部が先日発表した数字では、2017年4月の中国人観光客は何と月間22万7800人にとどまった。また前年同月比では約67%減で、3月も同約40%減と、その減少幅は拡大している。単純に比較はできないがこのままのペースで推移すれば年間の中国人観光客が300万人に届かないことも予想され、そうなると2016年の800万人から500万人以上のマーケットが消失することになる。
さて、日本版IRはどこの国の人々でにぎわうことになるのか。幅広いターゲットを視野に入れた展開が、「成否の鍵の1つ」を握ることはいうまでもない。
◇
【プロフィル】木村和史
きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のリポート執筆などを手掛ける。