株主総会後に記者会見する日本電産の永守重信会長兼社長=16日午後、京都市【拡大】
日本電産の永守重信会長兼社長は16日、京都市で開いた株主総会後の記者会見で、2030年度に連結売上高を10兆円に引き上げる構想を明らかにした。16年度の売上高は1兆1993億円で、これを8倍以上にする壮大な計画だが、永守氏は「十分に可能だ」と強調。現在72歳だが経営は「120歳までやる」とも語り、健在な“永守節”で意欲をアピールした。
同社は現行の中期経営計画で、売上高を20年度に2兆円まで引き上げる目標を掲げている。永守氏はその後の10年間でさらに企業買収や先進技術への投資を進めることで、電気自動車(EV)やロボット、小型無人機ドローン向けなどのモーター事業を拡大し、飛躍的な成長を実現すると表明した。
「売上高10兆円」はパナソニックも18年度の達成を目標に掲げながら、昨年3月に撤回した高い壁だ。しかし永守氏は売上高を自動車関連で4兆円、エアコンやロボット掃除機といった家電向けで3兆円まで拡大すると具体的な数字に言及しながら自信をのぞかせた。
さらに、達成のためには技術者が必要だとして、グループ全体で20年度入社の国内新卒採用を17年度の約3倍の1000人に引き上げる計画も明らかにした。