しかし、買収価格で折り合えないだけでなく、相乗効果を期待した不動産事業の中身でも郵政側と野村不HDの間には亀裂が生じていたようだ。高級マンション事業を得意とする野村不HDに対して郵政側が期待していたのは、東京駅前や博多駅前に開業した「KITTE」のような商業ビルの開業や運営だったからだ。
日本郵政は今後、新たな買収先候補の選定も含めた成長戦略の立て直しを進めるものの、郵政幹部は「別の買収先を選ぶのは時間がかかる」と慎重な構え。
まずは豪物流会社トール・ホールディングスの統治強化や国内の宅配便の価格見直しなど、物流事業の経営体質改善を急ぐことになるが、低金利下で稼ぎ頭の金融2社の経営環境が厳しい中、郵政グループの前途多難は続きそうだ。(大坪玲央)