
会見で、東証2部への降格などについて説明する東芝の綱川智社長=6月23日、東京都港区【拡大】
経営再建中の東芝は23日、2017年3月期決算を記した有価証券報告書(有報)の提出を8月10日に延期すると発表した。6月末が法定期限だったが関東財務局に延期を申請し、承認された。東京証券取引所は23日、3月末で負債が資産を上回る債務超過に陥ったと判断、8月1日付で東芝株を東証1部から2部へ降格させると発表した。
有報提出が遅れているのは、米原発事業の巨額損失を認識した時期をめぐる監査法人との意見の隔たりが埋まらず、決算の信頼性にお墨付きを与える「適正意見」がつかないため。提出延期は15年春に不正会計が発覚して以降で5度目。
23日に会見した綱川智社長は「株主、投資家をはじめステークホルダー(利害関係者)の皆様に深くおわびする」と謝罪した。また、半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、産業革新機構を軸とする「日米韓連合」に優先交渉権を与えたことに関し、「今の形で合意を進め、28日(の株主総会)までに契約したい」と説明。協業相手で売却に反対する米ウエスタン・デジタル(WD)に参画を働きかけることは検討していないとした。売却で、約7000億円の株主資本回復が見込めることも明らかにした。
このほか、独自試算した17年3月期の決算見通しを修正。不正会計をめぐる損害賠償の引当金を増額したことや、米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の破綻に伴い損失が膨らむことから、連結最終赤字が9952億円と5月公表時から452億円拡大。期末の債務超過額は5400億円から5816億円に膨らんだ。