【知恵の経営】入るを計りて出ずるを制す (2/2ページ)

2017.6.26 05:00

 (2)変動費の比率を下げる。これは原価管理の徹底である。例えばトヨタグループでは「知恵と改善」という言葉で原価低減活動を続けている。新車開発の総責任者は主査(CE)が担当する。大事な仕事の一つに「原価企画」があり、「販売価格から利益を差し引いた残りが原価」という発想で原価は設計開発段階で企画している。

 (3)固定費を下げる。会社は放っておくと固定費が増えるもの。経営者は絶えず目を光らせる必要がある。ドラッカーの建物を例にした名言に「この柱をなくすと屋根が落ちるか」がある。屋根を支えるのに不要な柱は無用ということだ。

 依然、先行き不透明な時代が続く。優秀な経営者は業績好調でもリスクに備えるため、損益分岐点を引き下げる経営を心掛け、無駄な借入金をせず、財務健全性に配慮している。松下幸之助が絶えず口にしていた「ダム経営」の実践だ。

 経営者には「入るを計りて出ずるを制す」経営と損益分岐点引き下げの旗振り役としてリーダーシップを発揮してほしい。

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【会社概要】アタックスグループ

 顧客企業1700社、スタッフ170人の会計事務所兼総合コンサルティング会社。「社長の最良の相談相手」をモットーに、東京、名古屋、大阪、静岡でサービスを展開している。

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