
東芝のロゴ=東京都港区芝浦の東芝本社【拡大】
一方、日米韓連合には、東芝とWDとの係争の行方を見極めたい意向もある。WDは東芝メモリの売却差し止めを求めて米裁判所に訴訟を起こした。7月14日に審問が行われ、すぐ裁定が下る可能性もあるため、連合内には裁判所の判断を待つべきだとの意見も多い。
東芝は来年3月までに東芝メモリの売却手続き完了を目指している。各国の独禁法審査に必要な期間を踏まえ、6月中を契約のめどとする方針を取引銀行にも説明してきた。契約は遅れたが、主要行はこのほど、東芝メモリの株式を計6800億円の融資枠の担保に設定。東芝は生命線である資金繰りが安定するめどがつき、契約への切迫感が多少和らいだ感もある。
取引行関係者は「独禁法審査が長引く懸念がなければ、契約を急ぐ必要はない」と語るが、SKの“変心”で懸念は強まった。WDとの係争も泥沼の様相を呈しており、予断を許さない状況が続く。(万福博之、井田通人)