さて、すでにカジノが解禁されている隣国・韓国でのマネーロンダリング対策はどのようになっているのか。韓国にはこれに関わる主要な機関として、韓国金融情報分析院がある。同組織は、金融会社などからマネーロンダリング関連の疑わしい取引の報告など金融情報を収集および分析し、それを法執行機関に提供する唯一の中央行政機関である。2001年9月にマネーロンダリング防止の基本法律として特定金融取引報告法と犯罪収益規制法が作られ、同年11月28日の施行とともにマネーロンダリング防止業務の担当の中央行政機構として金融情報分析院構築団が設立された。これにより、(1)金融会社が疑わしい取引を報告し、(2)本院が審査・分析して検察、警察などの法執行機関に情報を提供して、(3)資金洗浄を犯罪として処罰する、マネーロンダリング防止の基本体系が構築された。その後、2008年からは所属が国務総理傘下の金融委員会に移り、韓国金融情報分析院との名称で現在に至る。
日本版IRの実現に向けた動きの中、厳格なマネーロンダリング対策は避けては通れない。政府がどのような対策を講じ、社会の納得を導くのか注目される。
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【プロフィル】木村和史
きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のリポート執筆など手掛ける。