【ビジネスのつぼ】「行き先は不明」 日本航空「どこかにマイル」、航空業界の常識覆した新サービス (2/4ページ)

行き先を指定できない代わりに通常の半分のマイレージで特典航空券を手にできる「どこかにマイル」。家族でわくわく感を共有できる
行き先を指定できない代わりに通常の半分のマイレージで特典航空券を手にできる「どこかにマイル」。家族でわくわく感を共有できる【拡大】

  • 申し込み画面では4択で示される行き先候補地の魅力が写真を使って解説されている
  • JALが羽田空港に配備した木製車いす(同社提供)

 馬場氏は当時、秋からのキャンペーン企画に頭をひねっていたが「月に1、2回なら」と考え、研究会の参加を決めた。

 「行き先不明な、ミステリーツアー的な特典航空券はできないんですか?」

 同年7月に初めて研究会に参加した馬場氏は、野村総研側から切り出されて面食らった。「特典航空券は行き先が決まっていてこそマイルをためる目的になる」という思いに加え、空席を押しつけるような印象をマイレージ会員に与えてはいけないという懸念もあった。

 だが、野村総研側には勝算があった。旅行客にとって、マイレージをためて航空券と交換するのは一苦労。かたや、国内線の航空便は平均3割の空席が使われていないといい、本来なら有効活用をしたいはずだ。野村総研の新井朗上席システムコンサルタントは「双方のニーズを結びつけることは可能と考えた」と振り返った。

 また、新井氏は「旅行は最初、漠然とどこかに行きたいと思うところから始まる」と感じていた。こうした感覚は翌月に行ったマイレージ利用者への聞き取り調査で裏付けられた。集まった利用者のうち、スーツ姿のビジネスマンは「行き先が分からないなんて駄目」と言い放つ一方、独身女性や年配男性は「ぜひ、使ってみたいです」と目を輝かせた。

 気軽に旅行したいというニーズの高まりを感じた馬場氏も「きらりと光るプログラムにできるかもしれない」と思い直す。間もなく日航内に「どこかにマイル」のプロジェクトチームが立ち上げられた。

「本音で成功すると思っているのか?」