トヨタ自動車は、2020年代前半に一般道で自動運転できる技術を実用化する方針だ。人工知能(AI)を活用したシステムの開発を進め、運転手が操作に全く関与しない「完全自動運転」を目指す。
一般道での自動運転には、交差点や歩行者といった複雑な情報を瞬時に処理して操作を判断するAIの高度化が必要。国内外の自動車メーカーに加え、米IT大手グーグルなど異業種も自動運転の開発に参入し、競争は激化している。
トヨタはAI分野への積極的な投資を続け、先端技術で先行したい考えだ。
自動運転の技術は5段階に分けられ、最高の「レベル5」はシステムがブレーキやハンドル操作を全て担う。トヨタが20年代前半に実用化するのは「レベル4」で、完全自動運転ではあるものの交通量が少ないなどシステムが対応可能な地域に限定される。
緊急時は運転手が操作する「レベル3」を20年までに高速道路で確立し、その技術を発展させる。
トヨタ幹部は「自動運転の目的は事故をゼロにすることだ」と強調した上で「車の技術だけでなくインフラや法律を整えていくことも重要だ」との見方を示す。
日産自動車は、高速道路の同一車線で自動運転できる機能を搭載した車を既に実用化しており、20年ごろには交差点を含む一般道でも導入する計画だ。ホンダは25年をめどに完全自動運転を実現する方針を掲げている。