
若者目線で日本酒をPRする団体「SakeBase」を立ち上げた土屋杏平さん(左)と宍戸涼太郎さん=千葉市【拡大】
日本酒に魅せられた千葉県の男子大学生2人が、その奥深さを伝えようと団体「Sake Base」を4月に立ち上げた。若者の日本酒離れが指摘される中「個性あふれる日本酒の魅力を若い世代に広めたい」と意気込んでいる。
2人は千葉市の小、中学校の同級生で、いずれも大学3年の宍戸涼太郎さん(20)と土屋杏平さん(21)。高校時代、運転免許取得のため新潟市で合宿し、同市の「今代司酒造」を一緒に訪問。飲酒はできなかったものの、伝統的な醸造手法や職人のこだわりを目の当たりにした。
大学進学後も日本酒に対する思いが募り、2人で千葉や新潟、茨城の蔵元約40カ所を巡った。次第に、販売低迷や後継者不足といった蔵元の苦境も分かってきた。
「ピンチはチャンス。日本酒の危機も正直に伝え、需要の掘り起こしにつなげたい」と宍戸さん。会員制交流サイト(SNS)に酒蔵訪問の記録を掲載するなど、若者を意識した情報発信に力を入れている。
蔵元では業界を支えたいという思いを素直に伝え、自然と人脈が広がった。団体の活動を支援する蔵元の一つ、「寿萬亀(じゅまんがめ)」醸造元の亀田酒造(千葉県鴨川市)に勤める森田成浩さん(47)は「日本酒に対する愛を感じる」と期待を寄せる。
7月に千葉市内で開催したイベントでは、日本酒を飲んだことがない人でも楽しめるように、酒だるやラベルを展示。2日間で幅広い年代の男女約450人が訪れた。2人は甘酒を振る舞いながら、来場者と日本酒談議に花を咲かせた。
今後は千葉県内を中心に、立ち飲みイベントや日本酒を紹介する会を週2回の頻度で開く計画だ。将来は団体の株式会社化も視野に入れている。「日本酒は日本の伝統文化。次世代に継承していきたい」。2人は杯を手に夢を語り合った。