
サイバーZが運営するeスポーツイベント「RAGE」。第4回大会には約2000人の観客が詰めかけた=6月10日、東京都新宿区【拡大】
■競技者人口の裾野拡大課題
任天堂やソニーが世界のゲーム機市場をリードしてきた日本のゲーム産業。だが、専用のゲーム機で遊ぶスタイルの普及がeスポーツではあだとなった。
欧米や他のアジアの国々では、パソコンでゲームを楽しむ利用者が多く、インターネットによる対戦や協力といった遊び方が定着した。その結果、1990年代後半からeスポーツが活発化したという。
今年4月、関係者にとってのビッグニュースが飛び込んだ。アジアオリンピック評議会が2022年の中国・杭州アジア大会で、eスポーツを正式種目にすると発表したのだ。18年のジャカルタ大会でも、デモンストレーションとして競技を行うという。将来、eスポーツがオリンピック種目になることも夢物語とはいえない状況だ。
日本のeスポーツを強化するには、どうすべきか。JeSPA理事で元東大大学院教授の馬場章は「頂点を高めて底辺を広げ、大きな三角形をつくることが重要だ」と話す。頂点とは世界で優れた成績を残す選手を育てて「スター」をつくることで、底辺は競技者人口の裾野を広げることだ。
eスポーツ先進国の韓国でも「海外の有名な大会で韓国選手が好成績を収めたことで、関心が広がった」(ネクソンコリアeスポーツチームマネジャーのキム・セファン)という。
米ラスベガスで7月開かれた格闘ゲーム大会「EVO」では「ストリートファイター5」部門で日本人選手「ときど」が優勝。裾野の拡大についても、JeSPAが全国18カ所に支部の設置を進めている。
日本では景品表示法などの法規制で、海外ほど高額の賞金を出せないという事情があるほか、eスポーツを冠する団体が複数あり、推進力が分散していると指摘される。eスポーツという世界の潮流で存在感を示すために、乗り越えるべきハードルは多い。(敬称略)