同社は既に計18カ所で建て替えに携わっている。今後、年間3、4件ペースで建て替えプロジェクトを増やす計画を進めており、今回の研究成果を事業推進に反映させていく。
一方、旭化成はこれまで、単棟型のマンションと団地型を合わせ28カ所で建て替え事業を展開。9月からは民間分譲マンション第1号の「四谷コーポラス」(東京都新宿区)の建て替え工事に着手する。
四谷コーポラスは築61年を迎える。敷地規模が限られた小規模マンションで、床面積が大きく増えず居住者の負担額も小さくないが、立地条件の良さから区分所有者の9割が再建後のマンションを再取得するという。
高齢者が住みやすく
また、野村不動産が手掛けるのは千葉県内で最大規模となる「若潮ハイツマンション建て替え事業」(千葉市美浜区)だ。コスモスイニシア、長谷工コーポレーションと共同で13棟500戸の団地を、9棟1009戸(このうち分譲は約860戸)へと大型化する。20年以降に順次完成する予定だ。
各社とも、さまざまな形態の建て替えに携わることでノウハウの蓄積を加速する方針だが、市場活性化には「高齢者が住みやすいマンション」の在り方などの提案力が一段と問われることになりそうだ。(伊藤俊祐)