要は、コンピューターでできることは、コンピューターの方が優位性を発揮するので、人間は人間にしかできないことにシフトするしかないということである。
これらの状況の1つの解が“アート”なのではないだろうか。人間にしかできないモノで人間に多大な影響を与えるアート。それらを生み出す人間の能力とは、創造性である。その創造性こそが、イノベーションの時代、AIの時代に、人や企業が生き残るキーワードとなる。
神からの脱却と人間の復興がルネサンスであった。産業革命後に起こったフラワームーブメントを第2のルネサンスとすると、デジタル産業革命後のまさに今、第3のルネサンスが起きようとしている。
人類のこれからの必須のアートは、AI時代だからこそビジネスの主戦場になる。世の中を変えるのは、アーティストであり、アート的なモノである。
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【プロフィル】吉田就彦
よしだ・なりひこ ヒットコンテンツ研究所社長。1979年ポニーキャニオン入社。音楽、映像などの制作、宣伝業務に20年間従事する。同社での最後の仕事は、国民的大ヒットとなった「だんご3兄弟」。退職後、ネットベンチャーの経営を経て、現在はデジタル事業戦略コンサルティングを行っている傍ら、ASEANにHEROビジネスを展開中。60歳。富山県出身。