「ソニーの復活」を真に受けていいのか 私が「NO」と答える理由 (4/5ページ)

 近年、アメリカ企業の復活、アジア企業のキャッチアップという大きな流れがしばらく続いている。その中で、ソニーほか日本のメーカーが劣勢に追いやられている構図に変化はない。

 営業利益の数字より10年後の将来像を

 ソニーは事業領域が広すぎるのも大きな問題だ。日本を代表するものづくり企業だったのが、90年代に金融やエンターテインメントなどに拡大したため、企業のアイデンティティがぼやけてしまった。「ソニーは何をする会社か?」と質問されて一言で答えられる人は少ない。

 はたして社内にもどれだけいるか。ソニー内部には「アップルのような会社になりたい」と望む人もいる。しかし現実の稼ぎ頭は半導体、ゲーム、金融だ。もう一度イノベーターを目指すにしても、アップルほどの開発力を発揮するのか、フィンテック(ファイナンス・テクノロジー)で攻めて金融界の破壊者になるのか、半導体などのものづくりを極めるのか、あるいはエンターテインメントの世界で覇権を握るのか、そういった将来像をハッキリさせる必要がある。

 本来はそれがトップの仕事だが、平井一夫社長にはそのビジョンが見えないのではないだろうか。平井社長は主に音楽やゲームといったエンターテインメント畑で豊富な経験を積んできた一方で、エレクトロニクスや半導体の事業に明るいとはいえない。ソニーの全体最適を判断するには、現在は赤字でも将来はコア事業に育てるから投資を続ける、またはIoT時代を見据えて不要な事業は切り捨てる、といった大胆な決断が必要となる。

ソニーが復活したかと問われれば…