
平成19年度と28年度の国内携帯電話出荷シェア【拡大】
各社はNTTドコモなど大手通信会社と共同で端末を開発し、技術の規格から販売まで依存。ドコモが独自のネット接続サービス「iモード」に固執してスマホ開発に本腰を入れるのが遅れる中、自らリスクをとって動けなかった。韓国サムスン電子が「ギャラクシー」シリーズを開発し、アップルと並ぶスマホ世界2強の座を確立したのとは対照的だ。
生き残り厳しく
結果的に世界市場で年2~3億台を販売するようになったアップルやサムスンとの競争で苦境を強いられることになり、NECや富士通など「電電ファミリー」と呼ばれる老舗の通信系メーカーは携帯市場から姿を消すことになる。
残った国内勢では、ソニーが高画質のカメラを搭載したハイエンドの端末に絞り込むなど、得意技術を生かした戦略にかじを切っているが、桁違いの販売台数の世界大手に比べて存在感は薄く、生き残りは容易ではなさそうだ。(万福博之)