--安定したサラリーマンをやめ、起業することに抵抗はなかったのか
「世の中に必要なことは、ビジネスになると思っていました。健保組合で実際に業務をしていた人など経験者3人を採用し、4人で会社を立ち上げました。企業などの健保組合の設立を請け負う一方、既存の健保組合の福利厚生事業の受託も手掛けています。健保組合の事務局や企業は管理運営を効率化してコストを削減できる上、利用者も福利厚生サービスの選択肢が増えるなどのメリットがあります」
--今後の事業展開は
「健保組合の設立支援は多いときでも年に6つで、それだけでは企業として成長できません。そこで、既存の健保組合向けのサービスを拡大しています。健保組合に加入している従業員の健康診断を手配したり、結果を電子データ化して個人がマイページでチェックできるようにしたり…」
--過労自殺が社会問題化し、長時間労働を防ごうという動きが活発化している
「企業にとって、従業員の健康管理が重要になっています。当社はストレスチェックや健康診断、保健指導などの仕組みを提供しており、企業の顧客も増えています。当社の目指す『健康管理のインフラ』は、政府が取り組んでいる健康寿命の引き延ばしや医療費の抑制などと合致しています。将来、間違いなく必要になりますし、その入り口に立っていると感じています。病気になれば医者や医療の領域ですが、予防は個人で努力するしかありません。個人が自分の健康情報を把握し、必要な行動に移れるように環境を整えることが使命だと思っています」(田村龍彦)