
善光寺門前にある八幡屋礒五郎の店舗。観光客でにぎわっている=長野市【拡大】
--今年から「M-1」の本格的な栽培が始まった
「国産の唐辛子を使いたいという要望はお客さまからもある。栽培量をさらに増やして、輸入物に対して3~5倍ほどの価格差がある国産品の価格を下げるのが目標だ。今のままでは国産や地元産では商売にならない。価格差を2倍くらいに縮め付加価値を高めて売りたい」
--調味料としての可能性は
「調理方法とか食文化というのは時代に合わせて進化していくものだと思う。オリジナルの調合もどんどん開発している。うちの七味は良い意味で一つ一つの素材が自己主張していないので料理の味を邪魔しない。七味は和食だけでなく、洋食も含めて新たなジャンルの食べ物と出合って新しい食べ方が生まれていくものだと考えている。こちらから提案していきたい」
--海外戦略は
「現在、香港と台湾の高級スーパーには年間2000個くらいの商品を卸している。うちの商品は国内でも大手と比べれば、価格差で3倍くらい高い。海外でもこだわった商品を求めている人に売りたい。アジアを中心に販路を拡大していく」
--今後の目標は
「メインは七味唐辛子の製造だが、調味料、スイーツ、化粧品に限らずジャンルを広げたい。培った技術を生かせる新分野にも挑戦していくつもりだ」
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【プロフィル】室賀豊
むろが・ゆたか 立正大文卒。1985年八幡屋礒五郎に入社。営業や製造などを経験し、2004年から現職。趣味は料理と読書。56歳。長野県出身。