自分たちの首を絞める? EV普及で実は大変なコトがわかった電力業界の懸念 (3/3ページ)

東京電力ホールディングスと日産自動車が共同で実施する実証試験に使うバン型EV「e-NV200」(イメージ写真)
東京電力ホールディングスと日産自動車が共同で実施する実証試験に使うバン型EV「e-NV200」(イメージ写真)【拡大】

  • 記者会見する電気事業連合会の勝野哲会長=12月15日、東京都千代田区(会田聡撮影)
  • 中部電力が充電にポイントを付与するサービスを展開するトヨタ自動車の「プリウスPHV」
  • 電気自動車にプラグを接続し、施設に電力を送るデモンストレーション

 さらに、電力業界では、EVがもたらす産業構造変化への懸念が大きい。EVは駆動システムが電池やモーターで、エンジンを持つガソリン車に比べて部品点数が少ないためだ。部品数が減れば製造時の消費電力が減り、収益の打撃になる見込みだ。

 勝野会長は「製造時の消費電力量が減少することに伴う販売電力量への影響のみならず、裾野の広い自動車産業の変革に伴う地域経済への影響が生じる可能性もある」と指摘する。実際、国内の電力量の3分の2は高圧という大工場やオフィスビルなど主に産業用だ。EVによる需要増とてんびんにかけ、期待よりも懸念が勝るのは必然だ。

 欧米や中国が打ち出すEV化の波の中で、電力業界は新たな収益源を見いだすことができるのか。「出遅れ」が指摘される日本の自動車メーカーとともに、採算性や将来性を見極める先見性が試される。(会田聡)