安全運転へ広がるHUD搭載車 車速や進行案内をフロントガラスに投影 (2/2ページ)

スズキの新型「スペーシア」のフロントガラスには車速など運転に必要な情報が投影される
スズキの新型「スペーシア」のフロントガラスには車速など運転に必要な情報が投影される【拡大】

 マツダも国内では、同年2月発売の新型スポーツ用多目的車(SUV)「CX-5」を皮切りに、フロントガラス投影方式の搭載車種を順次広げる方針だ。

 部品各社は「拡張現実(AR)」を用いたHUDの開発も推進。車両前方の現実の風景に経路案内の矢印などを重ねて表示できるようにする技術で、自動車各社も熱視線を注ぐ。

 HUDの導入をめぐっては独自動車メーカー大手が先行。日本勢も追いかけるように商機拡大につなげ始めた。デンソーは、透明な板に情報を表示する方式を含むHUDの世界出荷台数が17年の約400万台から拡大し、20年に約1000万台に達すると予測する。

 高齢者による逆走など不注意が原因の交通事故が多発する中、「小型車などにも広げ交通事故低減につなげたい」(デンソー)と強調。スズキの鈴木俊宏社長も「手の届きやすい価格帯を維持しながら安全装備を充実させる」構えだ。