とまあ、職業人としてのレーシングドライバーとは実に曖昧なのだ。だから自称プロドライバーが現れるのである。
◆厳格に線引きをする必要はない?
もっとも、それほど厳格に線引きをする必要はないのかもしれない。日曜日にゴルフをするような気軽さで趣味のレースに参戦する姿も微笑ましいし、勝った勢いでレーシングドライバーの肩書きの名刺を配っても許される。
地位も名声もなく、その肩書きで商売をするのには抵抗があるが、まあ、そもそも資格制度がないのだから、本人が恥ずかしくないのならば許されるのかもしれないね。
というわけで、冒頭の質問へ回答するとするならば、こんなところだろうか。
「誰でもレーシングドライバーになれますよ。まずA級ライセンスを取得してレースを始めてください。成績が備わってくればおのずと契約金が付いてきます。そう、その時あなたは、プロのレーシングドライバーなのです」
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【木下隆之のクルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。
【プロフィル】木下隆之(きのした・たかゆき)
レーシングドライバー 自動車評論家
ブランドアドバイザー ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。