NEM流出の衝撃 「マウントゴックス」の再現 見えぬ犯人像 (2/3ページ)

コインチェック本社が入居するビル=9日午後、東京都渋谷区区(川口良介撮影)
コインチェック本社が入居するビル=9日午後、東京都渋谷区区(川口良介撮影)【拡大】

 注目すべきは、この事件の全容がいまだ解明されていないという事実だ。捜査では、一部のコインが実際にサイバー攻撃で盗み出されていたことが判明。消失した85万BTCのうち、65万BTCが現在も所在不明のままとなっている。

 さらに昨年7月、BTCを使って巨額の犯罪収益を資金洗浄していたとして、ロシア人の男が米検察当局に訴追された。この男はマウントゴックス事件に関与した疑いがあるとされ、カルプレスもツイッターに「消失事件の真犯人が逮捕された」と書き込んだ。

 警視庁は今回のネム流出で、流出元となったコインチェック社のアクセス情報の解析に着手。流出との関連は不明だが、流出以前に海外サーバーから不審なアクセスがあったことも突き止めた。しかしネムの匿名性は高く、口座所有者の特定は容易ではないとみられる。また、攻撃に海外サーバーが使われた場合、捜査には国境の壁も立ちふさがる。「しばらくかかるだろう」。捜査幹部は長期戦への覚悟を口にした。

 教訓生かされず

 仮想通貨の消失・盗難事件は近年、世界各国で相次いでいるが、大半は犯人が明らかになっていない。また、被害者への補償の仕組みも定まっていない。こうしたリスクを知らずに、あるいは見て見ぬふりをしながら、世界中が仮想通貨の高騰に熱狂してきた。

「仮想通貨は自分で管理することが鉄則」