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「ガソリン車は悪」に異議 マツダの独自エコ路線、緻密な経営戦略の成否は (4/4ページ)

 EV共同開発で効率化

 一方でマツダは17年、トヨタと資本提携し、EVの基幹技術を共同開発することで合意した。一見、基本姿勢と矛盾しているようにみえるが、実はこれこそ、エンジン車の追求に不可欠な戦略だ。米カリフォルニア州や中国では、EVや水素を燃料として使う燃料電池車(FCV)など、CO2を排出しないZEVを一定割合、販売することが義務づけられる。このため、EVを無視するわけにはいかないが、「他社との共同開発なら、投じる経営資源を抑えられる」(関係者)。

 得意分野のエンジンを磨き、EVについても手当てするというマツダの戦略は理にかなっている。ただ、EVシフトがどのようなスピードで進むかは予測が難しい上、競争環境も厳しい。環境問題への姿勢についてマツダの主張が正当でも、中国などは自国のEV産業育成を視野に、規制を強めていく可能性が高い。勝ち残りに向け、緻密な経営戦略と確実な実行が迫られる正念場は続きそうだ。(高橋寛次)

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