ブリヂストン、ビッグデータ分析人材育成 ビジネス提案の新サービス (2/2ページ)

ブリヂストンでデータ分析を行うデータサイエンティスト=東京都中央区(同社提供)
ブリヂストンでデータ分析を行うデータサイエンティスト=東京都中央区(同社提供)【拡大】

  • ブリヂストンは鉱山に使う巨大ダンプカー用タイヤに付けたセンサーからデータを集約しサービスに役立てている=オーストラリア(同社提供)

 ビッグデータの活用は商機拡大が狙いだ。現在も鉱山で使うダンプカー用タイヤに空気圧や温度を測定するセンサーを取り付け、溝の状態などタイヤの使用状況と合わせて常時把握。そこから集めたデータを分析してタイヤの適切な交換時期の提案につなげるほか、商品開発にも生かしている。

 同社はこうした事業展開を加速するため昨年、タイヤ事業の枠を超えたビジネスを開発する社内組織「デジタルソリューションセンター」を新設しており、今回育てる分析人材は同組織の活動の受け皿ともなる。

 タイヤ市場激化

 タイヤ市場では近年、中国などの新興メーカーが競争力を高めている。世界1位の市場シェアを維持するブリヂストンだが、同センターを担当する三枝幸夫執行役員は「製品性能だけでは新興勢との差別化が難しい。顧客の困りごとを解決し新しい価値を届ける会社に転換したい」と、ビッグデータ活用を急ぐ背景を語る。

 一方、データサイエンティストの草野隆史代表理事も今後は「市場に出た製品などからの膨大な情報を商品やサービスの開発につなげる人材の力が企業競争を左右する」と指摘している。(臼井慎太郎)