【視点】スパコン超える「量子計算機」の開発競争激化 後発の日本は挽回できるか (1/3ページ)

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 □フジサンケイビジネスアイ副編集長・鈴木正行

 スーパーコンピューターをはるかに超える計算能力を持つ「量子コンピューター」をめぐり、世界各国が技術開発を競っている。ハード面で後発となった日本はどうやって挽回するのだろうか。

 量子コンピューターが注目される背景には、衛星画像やセンサーで測定した情報など、解析に利用できる情報量が膨大になり、従来のコンピューターでは限界に近づいたことがある。

 量子力学の「重ね合わせ」と呼ばれる状態を利用する量子コンピューターは、膨大な計算を並列処理できる。スーパーコンピューターが数時間を要する複雑な問題を数分から数秒で解ける。次世代技術のAI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)機能のさらなる向上に貢献すると期待されている。

 世界に目を向けると、2011年にカナダのベンチャー、ディー・ウエーブ・システムズが世界で初めて量子コンピューターを発売した。多くの候補から最大の利益、最高の効率を発揮するような選択をする「組み合わせ最適化処理」が得意だ。東京工業大の西森秀稔教授らが1998年に提案した理論「量子アニーリング」が用いられている。グーグルやNASA(米航空宇宙局)、ロッキード・マーティンなどの企業・研究機関が相次いで導入し、一躍注目を集めた。

 このほか、IBMも量子コンピューターシステムの商用化を進めており、インテルも今年1月に量子コンピューターシステムの心臓部といえるテストチップを発表するなど、競争が激化している。

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