金融

銀行の収益モデルを真っ向から否定 セブンの40倍も儲かるコンビニATMの「謎」 (3/6ページ)

 銀行のビジネスモデルを真っ向から否定

 セブン銀行の前に、まずは普通の銀行がどのようなビジネスモデルなのかをおさらいしておこう。あえて単純化すれば、「銀行のビジネス」は基本的に「預金者」からお金を集め、集めた資金を企業や個人などの「融資先」に貸し出し、その「利子」を得ることで成り立っている。

 つまり「銀行のビジネス」にとってのお客様は、「預金者」でなく「融資先」であり、そこから得る「利子」が企業でいう売上に相当する。また、「預金者」は資金を提供する供給者であって、「利息」という形で、提供した資金に対するリターンを得ている。

 一方で、セブン銀行のビジネスモデルはまったく異なる。まず銀行業の根幹ともいうべき「融資」というものをしないのだ。「預金者」から資金を集めないし、店舗もない。つまり、従来の銀行のビジネスモデルを真っ向から否定しているようなものだ。

 銀行業界のノウハウは、いかに焦げ付く(貸したお金が返ってこない)ことなく融資を実行するかにあった。つまり、いかに焦げ付きを最小限に抑えるかに既存の銀行ビジネスの根幹がある。銀行業界が、セブン銀行の「融資」を一切行わないというビジネスモデルを「素人の発想」と笑ったのも無理はない。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus