日産・西川広人社長 「中国は収益の柱に、EVで攻勢」 

産経新聞などのインタビューに応じる日産自動車の西川広人社長=横浜市
産経新聞などのインタビューに応じる日産自動車の西川広人社長=横浜市【拡大】

 --販売で苦戦する米国事業の立て直しが収益力の安定化に向けて急務だ

 「昨年の米国の全体需要は強含むと読んで旧型の在庫を多く持ちすぎた。その処理に余分なコストと時間がかかり、(平成30年3月期の連結営業利益予想に)大きなインパクトを与えた。来年までは生産から在庫・販売までを一貫管理する精度を高めるなど、足場固めに集中したい」

 --中国の攻略は

 「中国は初めて車を買う人が多く、市場はまだ成長している。平成34年までの中期経営計画で、中国事業を米国に並ぶ収益の柱にする。2ケタ台の営業利益率を損なわない範囲で日産ブランドと中国独自ブランド『ヴェヌーシア』の両方を成長させたい。ただ、電気自動車(EV)市場が化けたら、EVをもっとやる」

 --中国配車大手の滴滴出行とEVのカーシェアリングで協業を発表した

 「顧客が車を使うことに比例し収入が出るカーシェアは魅力の宝庫で、互いのノウハウを持ち寄って次のビジネスの形を見いだす。EVは、技術や乗り味の価値を多くの顧客に認めてもらうことで勝負する」

 --電動車や自動運転技術などが広がる次世代市場で勝敗を分けるポイントは

 「仏ルノー、三菱自動車と組む3社連合を軸にいろいろな技術領域の企業とオープンな協力関係をつくることだ。3社の経営統合のメリットは見えない。カルロス・ゴーン会長も同じ意見で、今の方向で効果を出すことに集中する」