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「無法状態を放置したくない」NTT社長、海賊版サイト遮断の経緯と理由を説明

 NTTの鵜浦博夫社長は11日の記者会見で、4月23日に実施方針を発表した漫画やアニメの海賊版サイトの接続遮断について、「ネット社会では私は悪者になっているようだが、ネットの無法状態を放置したくないという思いがある」と

理由を説明した。

 鵜浦氏は、昨年10月に海賊版サイトによって出版社などの著作権を侵害されている著作権者から、「『NTTを訴えてもいいか』と相談をいただいた。われわれを訴えることで、メディアにも(海賊版問題の)注意喚起をしたいという趣旨だったのではないか」と経緯を説明した。

 鵜浦氏は、海賊版サイトを放置することで動画や音楽などのコンテンツ制作者の意欲がそがれることを問題視。「インセンティブ(対価)を維持できるネット社会であるべきという思いから(遮断の)準備を進めてきた。ネットを無法地帯にしないためには必要な取り組みだ。犯罪行為を放置していいとは思っていない」と強調した。

 NTTはサイト遮断は実施していないが、政府が名指しした3サイトは実質的に利用できなくなっている。それでも鵜浦氏は「確かに当該サイトは今は閉じている。しかし、閉じたから不法行為が精算できたわけではない」と、今後もサイト遮断実施の方針を維持する考えを示した。

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