この快進撃を支えるのが、商品の企画段階から生産に至るまでコスト改善を図る「モノ造り革新」。特に生産面の革新を広島市の本社工場とともに先導する「マザー工場」の一つが「CX-3」「CX-5」など5車種を生産する防府工場で、41万6000台の年産能力を持つ。
200万台生産の鍵
同工場では、排気量や燃料が異なるエンジンを搭載するセダンやSUVなどが同一ラインによどみなく流れ、ロボットや作業員の手で54秒に1台という速いペースで組み立てられていく。
例えば、全長も幅も異なる複数の車種であっても、車体をライン上の同じ場所に固定し搬送するなど、目に見えない工夫がちりばめられている。
こうしたフレキシブル生産を実現することで、車種ごとの専用ラインに比べ設備投資が抑えられるほか、販売が順調な車種を空きのあるラインで追加生産するといったことが可能になり、稼働率を高めることもできるようになる。これらモノ造り革新の成果を、来年投入する電動車の生産に生かすための方策も探る方針だ。
世界の自動車メーカーは、販売台数規模でトヨタや独フォルクスワーゲンなどの「1000万台クラブ」と、中堅の100万~200万台程度のメーカーからなる「200万台クラブ」に分かれる。マツダは、「個性で選ばれるブランド」を追求する延長線上で200万台の生産・販売態勢を目指す計画で、その牽引(けんいん)役となるSUVを手がけるマザー工場の役割は一段と重みを増しそうだ。(臼井慎太郎)