宅配、通販事業の生産性向上連絡会 利便性と物流網の維持模索

 インターネット通信販売の市場拡大で宅配事業者のドライバー不足などが顕在化している問題で、国土交通省と経済産業省が29日、今後の物流危機を回避するための宅配事業者と通販事業者、関係省庁による連絡会の初会合を開いた。ネット通販市場は今後も拡大が見込まれ、連携強化で消費者の利便性確保と物流網維持の両立を模索する。

 連絡会にはアマゾンジャパンやスタートトゥデイなどネット通販事業者と、佐川急便やヤマト運輸、日本郵便などの宅配事業者が顔をそろえた。意見交換では、顧客満足度の向上に向け一層の連携が必要との認識で一致したという。

 今後は月に1回程度のペースで議論を深め、10月にも再配達削減をはじめとした各社の取り組みについての事例集をまとめる。

 経産省によると、国内ネット通販の市場規模は2017年に約16兆5000億円に達し、物販市場全体の5.79%を占める。欧米では物販の1割がネット通販とされており、16年度に40億1900万個だった宅配便取扱個数は上積みが見込まれる。調査では宅配便の約6個に1個が再配達が必要で、ドライバーの負担増の一因とされている。