JR東日本傘下のジェイアールバス関東(東京都渋谷区)は2日、欧州製の2階建てバス2台を14日から高速バス路線へ投入すると発表した。2階建てバスの導入で輸送効率を向上させることでドライバー不足を補う。同社が2階建てバスを新規導入するのは2010年以来となる。
今回導入した車両はスウェーデンのスカニア社が手がけた日本の高速道路向けの特別仕様で、従来型の高速バス車両と比べて1.5倍の58人の乗客を運べる。燃費は1リットル当たり3.8キロメートルと従来型のバスよりも優れているという。1階部分には車いす固定スペースも1台分確保した。
14日から乗客が多いバスタ新宿~東京ディズニーリゾート間で運行を開始して、将来的には長距離路線に導入する考え。
JRバス関東は最盛期には60台の2階建てバスを所有していたが、国内メーカーの生産終了に伴い、現在運行しているのは30台。導入コストは従来型の1階建てバスの約2倍というが、岡村淳弘常務取締役は「乗務員の確保が難しくなる中で、輸送力向上につながる2階建てバスの導入は必須」と指摘。さらに、ドライバー不足は業界全体の課題のため、今後は導入を検討する同業他社に対しても情報を提供、共有していく方針だという。
スカニア社は昨年度から、はとバスなど、国内のバス運行会社4社に10台を納入。欧州に比べ車体の大きさや重量とも小型化が必要な日本向けノウハウを蓄積中だ。スカニアジャパン(東京都港区)の中井誠営業本部長は日本市場を「欧州、米国に続くマーケット」とし、3年後には年間50台程度の需要があると見込んでいる。