ブーム泡立つ地ビール 輸出拡大、税改正も追い風 “黒船”来襲で寡占化も (1/5ページ)

 ビール系飲料の需要が伸び悩むなか、地ビールが都市部での開拓も進みブームに沸いている。税制改正も追い風になりそうだが、出荷量が落ち込む業者も増え、大手メーカーの参入という“黒船”もあり、危機感を抱くメーカーも出始めている。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆ビール系飲料は伸び悩むが…

 東京商工リサーチ(TSR)では、全国の主な地ビールメーカー217社を対象にアンケート調査を実施した。

 大手メーカーのビール系飲料の需要が伸び悩むなか、2018年1-8月累計の全国主要地ビールメーカー出荷量は前年同期を1.0%上回った。主要地ビールメーカーの出荷量は、2017年に前年同期より0.7%減少したが、2018年は地ビールブームを背景に再び増加に転じた。

ベアードブルーイング(本社・静岡)と三菱食品が開発した「黄金IPA」

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 ビール大手5社の2018年1-6月のビール系飲料課税済み出荷量は、前年同期比3.6%減と上期では6年連続で過去最低を更新した。消費者の嗜好の多様化や2017年6月施行の酒類安売り規制で苦戦し、ビール系飲料の小売価格の大幅上昇も出荷減につながった。

 一方、地ビールメーカー各社はイベントでの自社販売を軸に、スーパー、コンビニへの拡販に加え、都市部でビアパブなどの開拓が進み、出荷量を増やしている。だが、出荷量が落ち込む地ビールメーカーも増えており、地ビールブームに沸く業界だが、いつまでブームが続くのか危機感を抱く地ビールメーカーも出始めている。

 大手から地域限定まで、地ビール・クラフトビール市場は活況をみせている。しかし、ブーム持続には次の一手となる販売企画・商品開発など、新たな経営戦略が求められている。

◆出荷量トップは7年連続で「エチゴビール」

 2018年1-8月の出荷量ランキングは、全国第1号の地ビール醸造所のエチゴビール(株)(新潟県)が7年連続でトップを守った。出荷量は生産設備も増強し1958kl(前年同期比0.9%増)と2位以下を大きく引き離した。

 エチゴビールの阿部社長は「今後、輸出に力を入れる。価格面や商品の方向性でクラフトビールブームがどう変わるか注目している」と、業界の先行きを模索し始めている。

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