【木下隆之のクルマ三昧】レクサス生産工場の女性ガイドに思わずうなったワケ (1/3ページ)

 そこは生産工場から連想するのとは異なり、耳をつんざくような打撃音も少なく、ブザーやサイレンが鳴り響くこともなかった。金属が焼け焦げる匂いもなく、ゴムが擦れる異臭もしない。

 だが目の前では、いわゆる典型的な自動車生産工場らしく、自動化されたラインに乗ったクルマが組み立てられていく。人がゆっくりと歩くような速度で金属の骨組みが流れ、それは次第にクルマの形となり、62秒で一台のペースで完成していくのだ。

トヨタの宮田工場を見学

 レクサスESの試乗を終えた翌日、僕はレクサスが生産される拠点の一つであるトヨタ自動車九州の宮田工場の見学が許された。レクサスクオリティを担保するそこでは、最新のESだけでなく、CT、RX、NXが産声をあげる。ここから世界に旅立っていくのだとおもうと、ちょっと感慨深い気持ちになったのも事実だ。

 いやはや、金属の塊が少しずつ形になり、無機質にパーツとパーツが組み付けられているだけのそんな空間に足を踏み入れただけだというのに、何かの生命が誕生するかのようなハートフルな気持ちになった。理由は数々あれども、僕は意外なことに、案内役の女性の一挙手一投足にも、もてなしの気持ちが滲み出ていたからだと思う。

的場香織さん(右)と木下隆之さん

的場香織さん(右)と木下隆之さん

クルマが回転したり逆さまになったり