マネジメント新時代

「国家千年の大計」中国の都市計画 そして日本に求められる政策は (2/3ページ)

 都市計画・都市交通に関して気になった点がある。雄安新区までは、新幹線が北京、天津から直結し、高速道路も特区を通る計画である。また近くには第2北京空港が建設中である。しかし、オフィスビル、住宅地、碁盤目状の道路というように、都市計画は従来通りの考え方にあるように見受けた。交通機関に関しても、自動運転車や自動運転バスをメインに考えており、特段目新しいものはない。

 人口は初期で100万人、35年頃には200万人を超えると想定しているとのこと。そうであれば、たちまち北京以上の交通渋滞が発生するのではないだろうか。新都市が出来ると、次第に都市部に人口が集中するため、大量に人員を移動できる大型高速トラムやモノレール、新たな移動体など、都市交通形態をどうするかが課題となるであろう。

 スマートシティーの条件

 日本のみならず、各国でスマートシティー構想が広がっている。多くの要素の中で筆者が重要だと思うのは、都市部に集中する人々の輸送方法である。都市のレイアウトをどのように計画し、どのように移動してもらうのかは重要な視点である。それで思い出すのが、大ロンドン計画である。戦時中、チャーチルは都市計画者を呼び、終戦後に実施する大ロンドン計画をまとめたといわれている。

 その骨子は、中心部に対して、同心円状に各都市を復興させ、都市中心部への圧力を減らし、和らげる効果を狙ったようだ。さらに、各都市とロンドンを結ぶ道路、鉄道などを適宜配置し連携を図ったとのこと。なお、雄安新区は現時点で北京のように一極集中であり、そのような計画は見られない。まだ着手した段階でありこれからなのであろうか。

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