中小企業

農業の6次産業で「甘酒ヌーボー」発売 ベストシーン、観光業との組み合わせも構想 (1/2ページ)

 農業の6次産業化事業を手掛けるベストシーンは、起業後初の商品「大吟醸 甘酒ヌーボー」を発売した。自社栽培の作物を原料とした高付加価値商品を製造販売するとともに、他の農家や食品加工業者との提携を進めることで事業を強化する。物販に加え、収穫体験などの観光業も組み合わせて産業振興を図り、全国各地の地域活性化を目指す。

 「大吟醸 甘酒ヌーボー」は10月に収穫したばかりの新米を磨き、精米歩合を日本酒の大吟醸規格である50%にまで高めている。コメの表層部を取り除くことで、雑味のない飲みやすさと滑らかな舌触りを実現。砂糖、甘味料も無添加で、米麹100%のコメ本来の自然な甘さと濃厚なとろみを味わえる。

 原料となったコメは、長野県信濃町にあるベストシーンの水田で、減農薬・減肥料で育てた。酒の仕込みは伊那市の創業150年を超える酒蔵・仙醸に委託した。自社ホームページのほか、百貨店、長野県内の道の駅やホテルなどで販売する。価格は720ミリリットル入り、2160円。1500本を出荷する。

 農林水産省によると、コメの1人当たり消費量は50年前と比べて半分にまで減少している。一方、富士経済の調べによると甘酒の市場規模は、5年前に比べて2.5倍に拡大している。このため鈴木崇文社長は、「ブームになっている甘酒として商品化することで、コメの需要を開拓しよう」と企画開発した。

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