谷弥、福岡市で宿泊施設事業参入 築50年超ビル丸ごと全面改修

ファミリーや女子会の利用を意識した「宿屋ひととき」=福岡市博多区
ファミリーや女子会の利用を意識した「宿屋ひととき」=福岡市博多区【拡大】

 石油販売や不動産事業などを展開する谷弥(福岡県直方市)は、宿泊施設事業に参入した。福岡市博多区内にある築50年を超えた3階建てのビルを購入し、1棟丸ごとリノベーション。2、3階部を1フロア貸し切り型の施設「宿屋ひととき」とした。また、1階には沖縄の人気店「ポークたまごおにぎり本店」がテナントとして入った。同店が沖縄以外の地に進出するのは、今回が初めて。

 谷弥の創業は1865(慶応元)年。150周年となる2015年を機に「ひと息つけるひとときを」をブランドコンセプトに掲げた。それを踏まえ、「FC(フランチャイズチェーン)事業が多くなっており、独自性を打ち出したい」(谷弥壽彦(やすひこ)社長)という考えから今回の新規事業に参入。施設の名称にもブランドコンセプトを反映させた。

 宿屋ひとときが開業したのは博多祇園山笠の舞台として知られる、櫛田神社の表参道沿い。2階と3階は1部屋ずつの構成で、それぞれ50平方メートルを超えるゆったりとした客室とし、1~6人(2階は最大5人)が宿泊できる。

 内部はホテルのようなインテリアではなく、「センスの良い友人の家」をイメージした内装に仕立て、ヒノキ風呂や美顔器などを導入した。

 福岡市内では外国人観光客の急増に伴い、ホテルの開発競争が激化している。築年数が経過した建物のリノベーションを行い、ホテルとして再生する動きも活発だ。

 こうした中、宿屋ひとときは女子会やファミリー向けの需要を想定。谷社長は「5、6人が宿泊できるようなリノベーションホテルは限られている。こうした空間性や立地条件は差別化の武器となる」と事業化について自信を示している。

 ポークたまごおにぎりは、スパムと卵焼きをご飯でサンドしたもので、定食を片手で食べられるようにしたのが売り物。「櫛田表参道店」は本土初の店舗で、“おかあさんの味”をしっかりと再現するため、20~70代の女性を積極的に採用した。また、本場と同様のおにぎりを提供するため、10月には研修センターを開設した。

 同店では明太子が入った卵焼きを使った「博多めんたま」など限定メニューも用意。ポークたまごおにぎり本店(那覇市)の清川勝朗社長は「食文化を通じて沖縄のよさを理解してもらうとともに、通りの活性化にも寄与したい」と話している。