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横綱と交流、生まれたスープ ミートボールの石井食品、無添加調理で素材の味 (1/2ページ)

 寒い冬が到来した。あったかい鍋の季節だ。石井食品八千代工場(千葉県八千代市)では「昭和の大横綱」とたたえられた「大鵬直伝ちゃんこ鍋スープ」の製造が進む。

 商品価値創造部の坂本陽一郎氏(44)は、「開発担当の社員が相撲部屋に通って習った本格的なちゃんこ鍋スープ。味のポイントは新鮮な鶏ガラで、添加物は一切、使っていない」と笑顔で語る。

 大鵬関と石井食品は昭和30年代から交流があった。その縁で石井食品と大鵬企画(東京都江東区)がちゃんこ鍋スープを共同開発したという。

 坂本氏は「食通や野菜嫌いの子供も満足する自信作。寒い冬の夜、家族や友人とあったかい鍋を囲み、味わってほしい」と話す。

地域の農家とともに

 石井食品は戦後、千葉県船橋市でつくだ煮の製造を開始。その後、調理済みハンバーグやミートボールを販売し、社業を拡大していった。佐賀県と京都府にも工場を建設。また、2次元データコードと品質保証番号を組み合わせた原材料履歴管理システムを導入している。

 地域の農家とのつながりを大切にする。そうして生まれたヒット商品の一つが「栗ごはん」だ。茨城、埼玉、千葉、京都、熊本県産などの栗を仕入れ、加工する。

 鈴木貴士氏(52)は仕入れを担当している。「栗はそれぞれの生産地で特長がある。風味、甘み、食感が違う。おいしい産地の情報を入手。現地に通い、一番いい時期に仕入れる」と説明する。

 茨城の栗は甘みが強く、ほくほくした食感。埼玉の栗は大粒でねっとりした食感が特長だ。千葉の栗は甘み、風味、食感ともにバランスが良いという。各地域の栗を新米で炊き込み、味比べをするのも一興だ。

 栗は機械で堅い皮をむく。その後、残った堅い皮と薄皮を手作業で丁寧にむいていく。

 松澤祐輝氏(37)は「栗は自然の恵み。大きさや形状が一個ずつ異なる。機械で皮全てをむくことはできない」と説明。「着色料は一切、使っていない。栗本来の素朴な色です。食感も良く、雑味がしない」と強調する。

おせちへの配慮

 日本の各地域にはおいしく、伝統的な食材がある。社員が生産地に赴き、丹精込めて作った食材を仕入れる。無添加調理の技術で素材の味を生かした商品に仕上げるという。

 茨城県・筑波山麓のタマネギを使ったハンバーグや、千葉県大多喜町のタケノコを使ったまぜごはんの素などを開発した。

 正月の食卓を彩るおせち料理にも力を注ぐ。豊かな大地と海を誇る千葉県などの産地から伊勢エビやタコ、サトイモなどの素材を選ぶ。徹底した衛生管理と温度管理の下で製造する。工程は非常に難しく、同じ価値観を持つパートナー企業とともに研究を重ねているという。

 また、自然の恵みを最大限引き出すために自社でだしを取る。鰹だしはまろやかな香りで、うま味が強い「鹿児島県枕崎産本枯節」を使う。

 「食物アレルギー配慮おせち」は特定原材料7品目(卵、乳、そばなど)を使用しない。

 家族や親戚が集まる正月に「食物アレルギーのある子供や孫も一緒におせち料理を食べたい」という消費者の声を生かして開発した。

 石井食品は「地球にやさしく、おいしさと安全の一体化を図り、お客さま満足に全力を傾ける」という企業理念を高々と掲げ、社員が実践を目指している。(塩塚保)

【会社概要】石井食品

 ▽本社=千葉県船橋市本町2-7-17

 ▽設立=1945年

 ▽資本金=9億1960万円

 ▽代表者=石井智康・代表取締役社長

 ▽従業員=312人

 ▽売上高=103億8787万円(2018年3月期)

 ▽事業内容=加工食品の製造・販売、商品開発

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