【高論卓説】中国2社を排除も対応の鈍さを露呈 ファーウェイ問題で揺れる通信企業 (1/2ページ)

都内に設置されているファーウェイのスマートフォンの看板=東京都新宿区
都内に設置されているファーウェイのスマートフォンの看板=東京都新宿区【拡大】

 世界シェア2位の中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)がイランへの制裁破りと、米国の銀行を不当に利用した容疑によりカナダで拘束された。これは米国がカナダに逮捕を要請したと報じられている。この問題で、世界各国の通信企業が揺れている。(経済評論家・渡辺哲也)

 現在、世界各国で2019年の開始に向けて、次世代の携帯電話規格5G(第5世代)の実証実験と設備投資が始まっており、この問題で投資計画と5Gの開始時期に大きな問題が生じる恐れがあるからである。携帯端末と基地局や通信システムの話を混同して報じられることが多いが、ここで最も問題になるのは基地局と通信システムである。特に5Gに関しては、単なる携帯電話やスマートフォンの話ではなく、常時接続による自動運転や自動配送などの産業や他のインフラと結び付く核となる部分だからだ。

 日本ではほとんど報じられなかったが、今年8月、米国で10月(米国では10月から新年度)からの軍事計画と予算を決める「国防権限法」が成立した。この法律では、19年8月13日以降、政府機関、米軍、政府保有企業が華為や中興通訊(ZTE)など5社の製品や部品を組み込んだ他社製品を調達することを禁じている。

 20年8月13日以降、対象企業の製品、部品などを利用している場合、米国政府や米国機関との取引はできない。当然、この対象は米国内だけにとどまらず、米国政府と取引する世界中の企業、個人、団体が対象である。この時点で米国議会は世界各国に対して、米国を選ぶのか中国を選ぶのか、一種の踏み絵を踏ませていた。

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