富士フイルム会長、ゼロックス買収「必須でない」 提携関係は維持


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 富士フイルムホールディングス(HD)の古森重隆会長が27日までに、インタビューに応じ、決裂した米事務機器大手ゼロックスの買収について「もともと先方の提案だ。ベターだがマスト(必須)ではない」と述べ、実現にこだわらない考えを示した。また、同社のジョン・ビセンティン最高経営責任者(CEO)と11月に東京で初会談し、提携維持を確認したことを明らかにした。

 買収計画は、富士フイルムHDが保有する富士ゼロックス株を同社に売却し、その資金で米ゼロックスに50.1%出資する内容。今年1月にまとまり、一度は契約にまで至ったが、米ゼロックスの「物言う株主」カール・アイカーン氏らが買収額の引き上げを求めて反対したため破棄された。

 富士フイルムHDは10億ドル(約1100億円)超の損害賠償を請求し、契約履行を求めている。

 買収額引き上げに関し、古森氏は「資金は医薬事業など成長領域に投じるべきだ、というのが(当社の)株主の声」と否定的な構えだ。ただ、コピー機の需要減に苦しむ米ゼロックスの経営は「苦しいだろう」とし、「新たな展開もありうる。株主が納得できる案が出れば検討する」と述べ、交渉のボールは米ゼロックス側にあるとの見方を示した。

 一方、製品を供給する富士ゼロックスがアジア・太平洋市場、米ゼロックスが欧米市場を担う現在の提携関係は「最良の関係として今後も続く」とし、ビセンティンCEOと認識が一致したことを明らかにした。