【2019 成長への展望】ソフトバンク社長・宮内謙さん(69)

ソフトバンクの宮内謙社長=20日午後、東京都港区(萩原悠久人撮影)
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 ■分離プランでは「端末値引きなし」に

 --政府が今夏にも、端末代金と通信料金を区別した「分離プラン」を義務付ける考えだ

 「完全分離プランになると、端末だけをうちが売って通信が他社という場合やその逆もあり得る。今はサービスで提供している販売店でのスマートフォン利用のアドバイスを、回線を売らないで端末だけを売った場合にできるのかというのも議論になる」

 --4年分割で端末代金を半額にする4年縛りといわれる販売手法も規制される

 「端末を買いやすくしてあげることは僕らの仕事だ。ただ、うちが端末を半額にサポートして、通信はNTTドコモなど他社を使うとお客に言われたら、何のために半額にするのかとなる」

 --新たな端末購入補助サービスは難航しそうだ

 「通信と端末を切り離して端末を売るためだけに、端末を安く売るインセンティブ(動機)はわかない。『この端末は目玉商品です』と割引をアピールしても、通信とくっついていないとやる意味がない」

 --端末を分割販売する際に金利を取ることもあり得るか

 「そういうことだ。買いやすくしても、端末できちんと利益を取るという計画にせざるを得ない」

 --格安ブランドのワイモバイルでも分離プランを導入する方針を打ち出したが

 「理屈としては、分離プランを導入すると通信料金に含まれている端末の購入補助が取り除ける。そうすると、通信料金は1割ぐらい安くできるのではないか」

 --上場後、売り出し価格を下回り続けている

 「端末で補助金をたくさん出してきたので、分離プランだと通信料金は下がるが、補助金は一気に減るので株価にはプラス材料といえる。携帯会社は、大容量にしたり、動画などを使い放題にしたりするといった通信プランで差をつけることになってくる」

 --政府は、基地局などの中国製通信機器について、事実上、規制する方針を打ち出している

 「メーカー名なども含めてきっちりと(規制の)ガイドラインを出していただきたい。基地局については、セキュリティーが中国製だと本当に危険なのかという議論もある。金額的には中国製は、全体の基地局への投資の10分の1ぐらいだ」

 --今年で70歳だが、後進へ社長職を譲る考えは

 「それはわからない。変革が続く今の状況でこれだけの重責を負っているので、株価と業績を上げるまではやり抜くつもりだ」

【プロフィル】宮内謙

 みやうち・けん 京都府立大卒。1977年日本能率協会入職。84年日本ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社。88年同社取締役などを経て、2015年4月から現職。