中小企業

三井物産セキュアディレクション、対策ソフト一括管理 ランサムウエア対応サーバー

 情報セキュリティーサービスの三井物産セキュアディレクション(MBSD、東京都中央区)は、身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」の専用対策ソフトウエアを一括管理するサーバーを開発し、3月にも富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL、川崎市中原区)を通じて市場投入する。昨年6月に同専用対策ソフトを販売し、社内のパソコン状況を一括管理したいというニーズに対応、金融機関や政府機関向けに売り込む。将来は米国市場にも参入したい考えだ。

 ランサムウエアは、ウイルスソフトや悪質なコード「マルウエア」の一種。ランサム(身代金)とソフトウエアを組み合わせた造語。感染するとパソコン内のデータやファイルを勝手に暗号化して使えない状態にした上で、画面上に「元に戻したければ身代金を払え」などと脅迫文が表示される。

 MBSDが開発した対策ソフトは、ファイルに対する操作から瞬時にランサムウエアを検知し、暗号化を防げる。昨年6月から富士通SSLを通じ、1ライセンス当たり年間4800円で販売。官公庁や企業に数千ライセンス導入されたが、各パソコンのユーザーが個別に管理していたため、多数のパソコンに導入した企業から、効率的に全体を管理するサーバーの要望が高まっていた。開発したサーバーは、各パソコンの動作状況確認や設定変更、ウイルスの検知状況の把握、ログ閲覧などをリモート管理できる。

 ランサムウエアは、メール添付ファイルを開くことなどで簡単に感染し、決定的な対策がなかった。病院や企業が標的にされ、世界的に社会問題化。昨年も奈良県内の市民病院で電子カルテシステムが使用不能となり、自動車メーカーの生産ラインも被害を受けた。

 従来の対策ソフトは、端末に「おとりファイル」を配置。それを変更する動きを監視・検知するが、実際にはかいくぐられるなどの弱点があった。

 一方、MBSDが開発した技術はランサムウエア本体の動作ではなく、暗号化されるファイル側の変化に着目する「逆転の発想」が特徴。同社は被疑者らによるコンピューターウイルス頒布事件の捜査協力などで警視庁から感謝状授与されるなど、国内有数のマルウエア解析実績を持つ。関原優コンサルティングサービス事業本部長は「ウイルスの脅威を知り尽くした解析者の知見を盛り込んだのが最大の強み」と話す。三井物産とも組み、日本発のセキュリティー技術で米国進出も検討している。

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