【高論卓説】「春闘終焉」、交歓会での伏線 「討創」で自社型賃金決定に取り組むとき (1/3ページ)

連合の神津里季生会長=2018年4月、東京都千代田区(斎藤良雄撮影)
連合の神津里季生会長=2018年4月、東京都千代田区(斎藤良雄撮影)【拡大】

 毎年3月半ばに「春闘」の山場が予定されてきたが、今年は淡雪が消えるように「春闘」も実態のないものとなる。(ジャーナリスト・森一夫)

 それで何か困ることが起きるのかといえば、恐らく何もないだろう。自社型の賃金決定に、個々の企業が真剣に取り組めばいいだけの話だ。

 労働組合の中央組織である連合が7日に開いた新年交歓会で伏線のようなものを感じた。あいさつに立った神津里季生連合会長は、「春闘」についてほとんど語らなかった。代わりに3月6日を「36協定の日」に決め、周知に努めると力説した。

 36協定は、労働基準法36条に基づいて労使で時間外労働について結ぶ協定である。意外に知らない企業があり、長時間労働防止のために徹底する意義はある。しかし例年であれば、新年交歓会の出席者の多数を占める労組関係者に向けて、賃上げについて奮起を促す発言をするところだ。

 同じ日に開かれた経団連など経済3団体の新年祝賀会でも、来賓の安倍晋三首相は昨年みたいに経営者に「賃上げ」を迫る言い方をしなかった。「やってくれますよね」というようなソフトな言い回しにとどめた。

 経団連は昨年まで、安倍首相の音頭に合わせて「賃上げに努力します」と、全面的に協力する姿勢を示していた。しかし新たに就任した中西宏明会長は、こうした「官製春闘」に批判的な姿勢である。

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