中小企業

「働き方改革」に組織活性化アプリ 離職防止にも効果 Be&Do・石見一女社長

 「働き方改革」が叫ばれる中、企業にとって従業員のモチベーション向上や健康管理は、人材育成や離職防止に向けた大きな課題となっている。「Be&Do(ビーアンドドゥ)」は、こうした課題解決に役立つアプリ「Habi*do(ハビドゥ)」を提供している。組織内の目標共有をパソコンやスマートフォンを通じて行うコミュニケーションツールで、石見一女社長は「目標を持って、互いに励まし合い切磋琢磨(せっさたくま)する仕組みを目指した」と説明する。

 ハビドゥは、組織の目標や進行中の業務、従業員自身が振り返ることができる個々の目標達成度を、組織内で情報共有するシステムがベースだ。

 目標達成度に合わせてバッジが与えられたり、従業員間で内容に対して「グッジョブ」「すごい」などスタンプを贈り合ったりでき、楽しみながら利用できるのが特徴だ。リーダーが部下の状況を把握してマネジメントに役立てるほか、320万件のデータを基にした人工知能(AI)のアドバイスを受けられる機能を取り入れている。

社員の能力引き出す

 年間60~70社が利用し、導入は広がっている。昨年11月からは「現場力アップ」を前面に打ち出し、ツール提供に加え、導入支援や運用時のサポートを盛り込んだ。石見社長は「便利さや合理性を求めたツール以上に、職場の課題を解決するソリューションとしての導入が増えている」と手応えを得ている。

 ツールを通じて目指すのは、(1)目標の明確化(2)プロセスの共有(3)メンバー間の信頼関係構築-の3つだ。好業績を上げている組織について、石見社長が見いだした共通項だった。

 25歳から販売促進イベントなどに受付員を派遣する事業を始めた石見社長。その経験から「従業員一人一人の能力を引き出せれば、会社も個人も成長し、幸せにつながる」という確信があった。1994年、組織活性化を目指すコンサルティング会社の共同経営に参画し、98年には「人と組織の活性化研究会(APO研)」を創設。企業に向けた啓発活動にも力を入れ、思いの実現に努めてきた。

 実際、コンサルタントを行った会社では、目標があいまいなチームは成績が上がらず、プロセスが可視化されないと生産性が向上しない現実を目の当たりにしてきた。一方、成果を上げるチームはリーダーの下、メンバー間で信頼が醸成され、目標やプロセスを共有化していた。

 だが、2008年のリーマン・ショックで当時、石見社長が経営していた人材紹介業は廃業。再起をかけて次の事業を模索していたところ、以前取引があったロート製薬から「従業員の健康管理を促進する仕組みを考えてほしい」と依頼を受け、11年にビーアンドドゥを立ち上げた。

健康管理ツール原型

 石見社長が目指す組織活性化は、健康目標に向けて励まし合うことにも共通するという発想から、健康管理を目的にスマートフォンを使ったコミュニケーションツールを開発。それがハビドゥの原型となった。

 ロート製薬では従業員約1500人を対象に、グループごとに100日間、肥満解消などに取り組んだ。ツールを通じて参加者が互いに進み具合を把握し、刺激し合う。体格指数BMIが肥満症とされる25以上の約200人のうち、半分が肥満を脱するなど効果が表れた。

 企業に福利厚生サービスを提供する「JTBベネフィット」が13年にハビドゥを採用し、初めは従業員の健康管理目的に利用が広がった。そのなかで最低売り上げ目標を達成する営業職員の増加、離職率の低下など効果を得たことで、組織活性化にも利用されるようになった。

 石見社長は「個の力をどう組織として引き上げ、現場力を高めるかが重要」と強調。職場のダイバーシティー(多様性)実現が求められるなか、「自分と違うものを受け入れ、互いに生かすことで大きく成長できる。ハビドゥは、その土台となるツールになる」と話した。

【プロフィル】石見一女

 いわみ・かずめ 1985年、25歳で販売促進イベント人材派遣会社を起業。94年にはコンサルティング会社の共同経営に参画した。2011年、「Be&Do」を立ち上げる。59歳。兵庫県出身。

【会社概要】Be&Do

 ▽本社=大阪市北区西天満2-8-1 大江ビル305

 ▽設立=2011年10月

 ▽資本金=1億675万円

 ▽事業内容=働き方改革、健康経営、離職防止を推進するアプリ「Habi*do(ハビドゥ)」の開発

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