19年春闘 きょう労使フォーラム 薄まるベア重視、合意に曲折も

 主要企業の労使が意見を交わす経団連の「労使フォーラム」が28日に東京都内で開かれ、2019年春闘が事実上スタートする。今春闘は経団連が基本給を底上げするベースアップ(ベア)を重視する従来路線からの転換を打ち出し、労組側もベアにこだわらない賃上げを求める動きが出るなど、新たな賃上げの在り方の模索が進んでいる。

 「そもそも賃上げは政府に要請されて行うものではない」

 経団連が22日に発表した春闘の指針「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」では、政府が賃上げの旗振り役を担う「官製春闘」に否定的な表現が明記された。

 世界経済の減速懸念が強まり、景気の好循環に陰りが出る中で、「大手企業の間でアベノミクスの“神通力”が落ちている」(関係者)という。

 12年の政権交代で発足した安倍晋三政権は政労使会議を立ち上げ、これを受けた14年春闘ではベア復活の動きが拡大。日本総合研究所の山田久主席研究員は「政府の賃上げ要請は0.15%程度の押し上げ効果があった」と分析する。

 今春闘では、「新たな賃上げ」の在り方をどう模索していくかが焦点の一つ。経団連はグローバル事業で通用する優秀な人材を育てるための処遇を念頭に、一律・横並びの賃上げではなく、子育て世代への支援やボーナスの増額などを含めた「多様な選択肢」で、労組側の理解を得たい考えだ。

 対する連合側は「月例賃金は安定安心の基礎」(神津里季生会長)と、経団連のベア重視からの脱却方針に反論しており、合意までには曲折も予想される。