空調販売への危機感
ダイキンがこうした大型の産学連携を決めた背景には、これまで世界市場で積極的に進めてきた空調機器の販売だけでは今後は生き残れないとの危機感がある。
井上会長は、機器売りからソフトへのソリューションビジネスの転換の必要性を強調したうえで、「(当社は)イノベーションを起こす技術者が不足しており、ベンチャー企業の活用が最短の道になる」とした。斬新なアイデアや技術をもつ人材が豊富な東大ベンチャーの力を借り、企業として空調機器販売の次の段階へと進みたい考えだ。
グローバル人材育成
一方、東大が目指すのはグローバル人材の育成だ。東大のみならず、日本の多くの大学は学生の内向き志向の強まりを懸念している。今回の連携では、世界150カ国で展開するダイキンのグローバルネットワークで東大の学生を対象にしたインターンシップを実施。ビジネスの最前線を見てもらうことで成長を促す。五神総長は「(東大の)既存の資源では足りず、全世界に展開するダイキンは協業相手として望ましい」と述べた。
このほか、既にあるダイキンと中国・清華大学との包括連携に東大が加わり、東大と中国・北京大学の連携プログラムにダイキンが参画。これまでに例のない規模の産学連携として今後の動きに注目が集まる。