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流通再編「第三極」になれるか 地方スーパー同盟始動、大手に対抗 (2/2ページ)

異種格闘技の時代

 そもそも独立経営への思いが強いとされてきた3社が同盟を結んだのは、強い危機感があるからだ。ネット通販の勢力拡大の中で、リアルの店舗展開だけで勝負することに限界を感じている。スマートフォン決済や電子マネーなどによる消費者囲い込みが進むことへの強い警戒感もある上、ドラッグストアの台頭など、流通の競争はもはや業種を超えた厳しい異種格闘技になっている。

 リテールの田中康男社長は「単独では難しいが、3社が情報共有することでの対応が重要だ」と語り、この戦いを同盟で乗り切る考えを示す。

 それ以上に3社が意識するのが、流通大手の動向だ。

 かつてはリテールと提携関係にあった中国・四国を地盤とするイズミが、18年4月にセブン&アイHDと提携。イオンも同年10月に、四国最大のスーパーチェーンであるフジと資本業務提携することを発表した。イオンは中国・四国強化策として傘下のマルナカ(高松市)と山陽マルナカ(岡山市)を、マックスバリュ西日本に経営統合する方針も公表したばかりで、中・四国での存在感は強まる。

 ある関係者は「同盟の基本的な考え方は“対イオン”に尽きる」と内情を話す。さらに、「全国にある独立系スーパーで、イオン陣営にくみすることを嫌う経営者は多い。そういったスーパーをどこまで同盟が取り込めるかが鍵だ」と語る。

 同盟の拡大が、大手のイオンやセブンに属さない新たな流通再編の第三極となれるか、激しい競争が始まっている。(平尾孝)

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